こんにちは。ArchNurseメディアチームです。今回は看護師から行政保健師へ、そして行政保健師から産業保健師へのキャリアを歩んでいる保健師のキャリアに関する記事です。リアルな転職活動の様子も書かれていて、転職活動中の方やこれから転職を検討している方には役立つ記事になっていますので是非、読んでみてください。
病棟看護師と行政保健師時代の仕事内容と転職のきっかけ
ー看護師から保健師になったきっかけは?
がんばらなくても健康が叶う社会(環境)作りをしたいと思い、保健師へ転職しました。
臨床を辞めようと思ったきっかけは、10年後の自分の姿が想像できなくなったことと、臨床の外の世界で、昼間に働き、夜寝る生活をしながら働き続けたいと思ったからです。
ー病院や行政ではどんな仕事をしていたか?
看護師としてては集中治療室看護(単科)で勤務をして、行政保健師としては検診業務、健康増進・介護予防事業などに関わっていました。
きつかったこと
看護師時代は、おむつ交換・トイレ介助の嵐、巨体の体位変換などの生活介助は大変だったのと、救急対応時の救急車の音にいつもビクビクしていました。
行政では、事業数が膨大で前年踏襲主義があり不人気な教室を開催し続ける苦痛があったり、縦割りで他部署で同じような事業をしているのに協力し合えないような風土がありもどかしかったですね。
たのしかったこと
看護師時代は、尊敬する医療職が周りにたくさんいました給与面でゆとりがあり、休みも確保されていたのはよかったですね。
行政では、企画運営・予算計上や管理など、担当事業の裁量権があったのでやりがいはあったのと、有給も取りやすかったです。
産業保健への転職を考えたきっかけ
働く世代に、より特化した支援に携わりたいと思ったからです。
行政保健師は全世代を対象としており、働く世代へはアクセスしにくかったですが、働く世代は、より未来に溢れ、行動力も影響力もあるから、この世代の支援に挑戦したいと思いました。
転職の決め手
【建前】引っ越しに伴う退職でした。
【本音】公務員の前年踏襲主義や費用対効果を追求しない考え方が合わないと感じる部分があったからです。
産業保健師への具体的な転職活動
- 一般企業で働くことへのマインドを育てる(1ヶ月)
- 自己分析・書類作成(1ヶ月)
- 産業保健や就活についての情報収集・面接対策・応募活動(1〜2ヶ月)
マインド
熾烈な就職活動が未経験。選ぶ立場で仕事に就いてきた自覚があったので、「選ばれる立場」としてマインドを変える必要がありました。
選ばれるため、と自分自身の働き方を考えるために、一般向けの働き方や転職関連の本を読み漁りました。一般企業で働く人や経営者がどのような課題感や未来を考えているのか知れて、後の転職活動に大いに活かせたと思っています。
第三者からの指摘は大歓迎。求人票は家族にも見せました。実際に就職活動を経験しているし条件に対しての観点が鋭いので助かります。書類や面接対策は一人で行っていると盲目になりがちなのでエージェントから積極的に意見をもらうようにしていました。
書類作成
履歴書と職務経歴書は、本やエージェントの意見を参考にしてベースの作成に時間を費やしました。
その後、求人票や企業理念に合わせて文章を修正して、良いと思った求人にすぐに対応できるよう準備をしました。
面接対策
企業研究や面接対策では、就活生向けのインスタやyoutubeを活用しました。
産業保健関連の研修参加や、無料記事や音声メディアなどで情報収集して、そこで聞いた知らない用語はすぐググってまとめていました。
想定質問をいくつか作って、1分くらいで答えられるよう繰り返し練習して、面接後には反省会をして、友人や家族の意見を聞いたりしました。
転職活動で一番苦労したこと
苦労したのは面接対策です。
企業への転職活動では、聞いてもらえて当たり前という面接ではありません。相手を引き込み、簡潔に、ナチュラルに話せるかが求められると感じました。わたしは声が小さいので、発声練習もしていました。
ー最終的にいまの企業を選んだ理由は?
その企業が作っているものがカッコよくて魅力的だったのと、面接での印象が良かったからです。
実際に産業保健師へ転職してみて感じたこと
良いこと、苦労していること
良いことは、継続的な関係作りができることです。行政保健師のときのように、細かい調査物がないのもありがたいです。
反対に苦労しているのは基本的にメールでのやりとりが主なので、文面を考えることに慣れていないので時間を取られてしまいます。あとは、座りすぎてお尻が痛いです(笑)
産業保健師に転職をしてみて気づいたこと
実は、産業保健師はキラキラしたものがあると期待していました。でも、実際には営業や経理みたいな会社のなかで役割がわかりやすく目立つような存在ではないため、決してキラキラはしていません。むしろ、私たちが前に出ていく場面が少ないほうが、会社が安定しているということだとも感じています。
これからやりたいこと
従業員さんたちの頑張りを、目に見える形でフィードバックできるようになりたいですね。そのためにデータをうまく使えるようになりたいです。
社外では、長く働ける看護職がひとりでも増やせるような、そんな取り組みもしていきたいと思っています。
まとめ 所感
今回は看護師を経て、行政保健師から産業保健師へと転職をした保健師のキャリアストーリをお届けしました。転職活動を3つのポイントに分けているのですが、はじめにマインドが出てくるのがすごいなと思いました。ただ、未経験からの企業転職となるとマインドセットが重要であることは間違いないので、そこをしっかり捉えているところが企業転職を成功に導くポイントなんだなとも感じました。
みなさんの転職活動の何かのヒントになれば幸いです。