このシリーズは、実際に看護師さんにインタビューをさせてもらって、その方のリアルなキャリアストーリーをまとめています。なぜ看護師になったのか?なぜ転職をしたのか?どういう理由で今のキャリアになっているのか?その辺りを知ることで何か共通点があったり、みなさんの今後のキャリアの気づきになれば嬉しいです。
第1回は、大学病院の小児科から現在は訪問看護の管理者をされている「まつなが」さんのキャリアストーリーをご紹介します。
看護師/大学病院で小児科看護師.教育担当も/成人経験0で訪問看護/看護師のえがおは人を救う/看護師がえがおで働ける職場を作る/管理者/在宅医療/地域看護/管理運営
<経歴>
- 県立大学(地方)
- 大学病院(関東)小児科 6年
- 訪問看護 サテライトの責任者 3年
- 訪問看護 管理者 1年目
看護師になろうと思ったきっかけはなんですか?
そんなに裕福な家庭ではなかったので、食いっぱぐれない職に就きたいという思いは物心ついた頃からありました。中学くらいまでは子供が好きだったので幼稚園の先生になろうと思っていましたが、自分が男であること、ピアノが弾けないこと、収入の面から、高校に上がる頃には「看護師」という道を決めていたと思います。
実際に高校2年生のときには大学の看護学科に見学に行っていました。他にも、直接的ではないですが、ナースマンという男性看護師のドラマが流行ってたり、高校で仲の良い友達(男)も看護師を目指していたというのもあったと思います。
新卒でなぜ地方から関東の大学病院を選んだんですか?
地元の病院で就職をする予定だったけどゼミの先生の後押しがあり関東に出ることを決めました。
病院はどんな軸で選んだんですか?
1番は自分のやりたい小児看護ができるかどうかでした。正直、小児科にしか行く気がなかったです。そこでいろいろ調べていくうちに入職をした病院にはCLS(child life specialist)という職種の方がいたことが大きかったです。自分が大学で学んできたことも活かせると思ってそこに決めました。
小児科が良いだけではなぜその病院の小児科かが良いのかまで落とし込めているのはさすがですね!それは面接受かりますね
あとは、地方でも採用をしていたり、病院のHPが綺麗だったのもプラスになりましたね(笑)
なぜ大学病院の小児から訪問看護へ
4年目くらいから病院の小児科で働いていくというキャリアに限界を感じ始めていました。
小児科の看護師としての道しか考えずに走ってきた自分にとって、年齢を重ねていった時に果たしていつまで現場のプレイヤーとして活躍していけるのだろうか、受け入れられるのだろうかと考えるようになりました。
休みも関係なく働いて、会うたびに愚痴を言い合うような管理職に自分はなりたくないなと思うようになっていました。
■年齢を重ねた自分が現場のプレイヤーでいるイメージが持てなかった。
■管理職の背中を見ていたが自分こうはなりたくないと感じてしまった。
そんな中で、病院外での男性看護師との繋がりが増えていきました。そこで病院の垣根を超えていろいろなことをやりたいと思うようになり、地域に飛び出して健康セミナーを自分たちで企画運営を全てやりました。今振り返るとここで地域医療に対しての想いが沸いてきたんだと思います。
あとは、病棟で看護師が嫌いになってしまうような方もいたのでそういった想いにならないような組織を自分たちでつくって新しいキャリアを切り拓きたいというような気持ちも沸いてきました。
看護師をしていて一番の挫折は?
リーダーをやり始めて周りに指示を出したりして仕事を進めないといけなくなった時に本当にちょっとしたミスで入院している子供のお母さんの信頼を失ってしまったこと。
看護師をしていて嬉しかったことは?
小児科
で働いているときに子どもから「今日の担当誰?」って聞かれて、「ぼくだよ!」と言うと「やったー」と喜んでくれたこと。
訪問看護
では、訪問を楽しみに待っていてくれる利用者さんがいること。
訪問している時間以外をどう良くしていけば良いかを一緒に関係者と考えて、そこから利用者さんの行動変容が起きた時ですかね。
家族から、自分が担当なら安心して子供を任せられるも言ってもらえたことも嬉しかったです。
良くも悪くも、関わる相手が安心したり、”えがお”になれるような何かを提供できることがやりがいで、嬉しいし、逆のことを起こしてしまうことがそのまま挫折や苦悩に繋がってました。
これからのキャリアについて
訪問看護に対してやりたいことはやらせてもらえていて充実していますね。
ただ、もっと若い世代が訪問看護に関わって欲しいと思っています。
その為に自分のステーションでゆくゆくは実習の教育体制を整えたいと思っています。
あとは畑をやりたいんです。日常から地域の人が集まってくるようなコミュニケーションの場を作って、訪問看護が必要な時だけではなく、日常的に交流ができるような場を作っていきたいですね。
まとめ
小児から訪問看護に結びつくまでのストーリーがとても興味深かったです。大学病院の4,5年目での「危機感」がきっかけでまつながさんにとってのキャリアの第2ステージが始まっている。それが、受動的ではなく能動的であって自ら地域「訪問看護」に行きついているというのが素晴らしいなと。
まつながさんが大切にしていることで「自分に関わる人が”えがお”になること」とう言葉があってとても共感しました。このインタビューをさせてもらった最後もこの話が誰かの為になると良いですね。と常に関わる人のことを考えられるのは才能だなと感じました。