看護職キャリアにどんな課題を感じArchNurseでどう解決していくのか

看護師・保健師のこれからのキャリア

こんにちは。ArchNurseのけんいちです。2024年もあっという間に5月ですね。ArchNurseの活動も4年目を迎えました。自分の頭を整理する意味でも看護職のキャリアに対する課題やArchNurseの活動についてまとめてみました。看護職のキャリアにどんな課題を感じていて、今後ArchNurseを通じて何をしていきたいのかが少しでも伝わると嬉しいです。

目次

看護職キャリアの現状と取り巻く環境

私は2008年に看護師の紹介会社で働き始め、2019年にキャリアコンサルタントを取得しました。その後転職はしたものの看護職のキャリア支援は15年以上続けています。その経験から看護職のキャリアの現状や取り巻く環境についてまとめてみました。

医療業界での専門職であること

資格を取得し病院へ就職するという学生からほぼ決められたレールがあり、自身のキャリアに受動的な方が多い。また、社会的ニーズの高い専門職であるため職能を越えたキャリアのイメージを持ちにくく、周囲からの期待もあってせっかく看護師になったのだから…というバイアスもかかりやすい。

看護職の90%以上が女性であること

日本における古いジェンダー観の影響を受けやすく、キャリアがライフイベントに影響されやすい。また自分の”本当にやりたい”ことを犠牲にせざるを得ないという方も少なくない。実際に出産や子育て、旦那さんの転勤のタイミングで今後のキャリアに悩まれ相談を受けることが多い。

紹介会社やキラキラ広告の乱立

看護師の人材不足によって紹介会社や求人サイトが増え、選ばなければ転職は容易にできるが、自己理解が不十分なまま転職をして後悔する方も多い。またそれを助長するような広告も乱立しておりミスマッチが発生しやすい悪循環が生まれている。

これらが重なりあっていることで看護職のキャリア形成というのはとても難しくなっているなと感じており、だからこそなるべく早い段階で看護師としてという前に自分自身と向き合い自己理解やキャリアを考える機会が必要だと感じています。

日本における看護師・保健師のキャリアの可能性

看護師は、忙しい日々のなかでミスが許されない世界ということもあり自己肯定感が低い方も多いです。また、自分と向き合う機会が少ないため自己理解が不十分で、自分らしいキャリアの軸が分からないという方もいます。結果的に看護師の資格取得者は年々増え続けているのに病院や医療業界から離れてしまい潜在看護師(免許を取得しているが看護師として働いていない)となる方も増えているため、医療業界での看護師人材不足は解消されないままです。

日本は世界一の高齢社会です。総人口に占める高齢者人口の割合の推移は、1985年に10%、2005年に20%を超えて2023年には29.1%となっています。長期的には病床数は減っていくので病院で働く看護師は減っていくとは思いますが、医療・介護の業界全体ではまだまだ看護師は必要です。さらに今後は予防やヘルスケアの領域でも看護師や保健師は重要な職種となってくると思っています。つまり看護師・保健師は日本で生活するすべての人々と関わっていく”核”となる職種です。

子どもが風邪をひいたり、親が介護でお世話になったり、働いている自分が健康診断で引っかかり保健指導を受けたりと、自分や家族が生きていく上で、看護師・保健師と関わらないことなんて絶対ないですからね。

あるべき状態とArchNurseのMission

ここまでの話を踏まえると、これからの日本において看護職が自分らしく働くことが重要だということを分かっていただけると思います。私が考える日本の看護職キャリアのあるべき姿は次の通りです。

日本の看護職のあるべき姿

自分のキャリアを大切に看護師・保健師の資格も活かしながら自分らしく笑顔ではたらく看護職が増えている状態。

全ての有資格者が看護師・保健師として働く必要はないと思います。とは言え潜在看護師がこのまま増え続けるのも良くないと思います。そこで、看護師・保健師の仕事にもやりがいを感じながらフルタイムではなくても自分らしい働き方で、そこに関わっている方が増え、人材不足も解消できている状態があるべきではないかと考えています。

それが、結果的に日本の笑顔を増やすことに繋がっていきます。ArchNurseで掲げているMission「看護職のキャリアの選択肢を広げ笑顔ではたらく人を増やす」はまさにその状態に向かうためのものです。

ArchNurseで取り組んでいきたいこと

このような課題を少しでも解決し、あるべき状態に近づたいという想いでArchNurseでは看護職×キャリアに軸を置いて活動をしています。その活動について簡単にご紹介します。

看護職の転職力(キャリア自律、自己理解等)を高め

まずは、看護職に自分と向き合う機会を提供することが何よりも重要だと考えています。

ArchNurseコミュニティ、ふらっとなかめはそのための大切な活動です。ArchNurseはコロナ禍の2020年にオンラインでキャリア交流ができる場として取り組み始め、ふらっとなかめはコロナが落ち着いた2022年後半から対面でのキャリア交流の空間として始め延べ250名以上の方が参加してくれました。(2024年4月現在)

医療機関(企業)の採用力を高める

その活動の次に大切だと思っているのが、採用する側の採用力です。現在は紹介会社や広告会社に多くのお金が流れています。紹介や広告が悪いという話ではありません。採用側としても紹介もうまく活用していくことは大切だと考えています。ただ、そこに依存しすぎてお金が流れ続けてしまっているということには課題を感じていて変えていきたいと思っています。

ふらっとなかめサポーターについてはその活動として今後、少しずつ展開させていきたいと考えています。

仕事を探す求職者の転職力と採用する側の企業の採用力が高まれば、自ずと求職者と企業とのマッチングの質も上がり、笑顔ではたらく方も増えると思っています。

ArchNurseは架け橋であり続けたい

人口が減り始めた日本においては、一部の企業では売上が伸びたり過去最高益!みたいなこともあるかもしれませんが、全体としてはいろいろな数字が右肩で上がり続けることはないと思っています。そうなると、数字だけでは表わせない人と人の繋がりや仕事にやりがいを感じられることがキャリア形成にとても大切になるのではないでしょうか。

そんなときArchNurseが素敵な出会いや、はたらく人の笑顔のきっかけをつくる架け橋になれたら嬉しいなと思っています。コミュニティ名ArchNurse」のアーチはそういった「架け橋」になる!という想いで付けました。これからもその想いをコツコツと形にし続けていきたいと思います。

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この記事を書いた人

けんいちのアバター けんいち キャリアコンサルタント

看護師の転職支援に約10年携わり、キャリアコンサルタントを取得。
2020年に看護師キャリアコミュニティ「ArchNurse」を立ち上げ、キャリア支援のプロジェクトを複数展開しながら、産業保健、健康経営関連サービスの企画職として従事。

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