「このまま看護師を続けて良いのだろうか」というキャリアの悩みを抱えながら、コロナ病棟の最前線で働いたakaneさん。
彼女はなぜ、そしてどのようにして「企業の営業職」という未経験の道を選び、さらにはキャリアコンサルタントの資格まで取得したのでしょうか。本記事では、看護師から異業種へのリアルな転職活動の様子と、キャリアを自分で選ぶことの価値をご紹介します。次のステップに悩む看護師の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いてくれた人

Akane
看護師→人材営業→育休中に国家資格キャリアコンサルタント取得|育休中ママ|子育てしながら働くママのキャリア相談|病院と企業の両方を知るキャリア相談が強み
看護師を志した理由:医療への憧れと、患者さんに寄り添いたい思い
なぜ看護師になりましたか?
ありきたりかもしれませんが、小学生の頃に医療ドラマを見て、医療ってかっこいいなと漠然と思っていました。その後、中学の部活で大怪我をして手術をする際に看護師さんがとても優しくて、「私もこんな風に不安に思っている方に優しく寄り添いたい」「けがや病気で辛い人の役に立ちたい」と思い、看護師を目指しました。
大学時代に、ITベンチャー企業に勤めている知り合いの方から総務事務の仕事をアルバイトで依頼していただき、きれいでオシャレなオフィスで働く社会人の方々を見て、「私って本当に看護師でいいのかな?」と迷った時期もありましたが、大学も看護学部だったので後戻りすることはできず、そのまま頑張ろうと看護師になりました。
看護師としての業務は何をしていましたか?
新卒で大学病院(三次救急)に就職し、希望していた脳外科病棟に配属されました。ですが、1か月後にコロナの影響で閉棟し、血液内科に異動。2年目~コロナ病棟でも勤務し、命の現場の最前線で働く日々を経験しました。
どんなことがきつかったですか?
一番きつかったのは、終わりが見えない働き方でした。
夜勤による生活リズムの乱れ、体力的・精神的な負担。 「この働き方を30代、40代になっても続けられるだろうか?」という不安が、次第に大きくなっていきました。
コロナ禍では、十分な教育体制が整わないまま現場に立ち、異動や閉棟も経験しました。「私はこの先、どんなキャリアを積んでいけるのだろう?」「キャリアアップするとしてもメンバーの次は主任?その次は副師長?ということはこの病棟の感じだとあと10年は役職もつかないのかな?」 など将来が見えなくなったことが、強く心に残っています。
やりがいやたのしかったことはありますか?
関わった患者さんやご家族から「ありがとう」と言ってもらえた瞬間は、何にも代えがたいものでした。チームで命を支える感覚や、誰かの回復に関われた実感は、看護師ならではのやりがいだったと思います。
タスクをこなしていくことも好きなので、今日のスケジュールに点滴・検査などやることを書き出してそれを消していくのは楽しかったです(笑)
「このまま看護師でいいのか?」ロールモデル不在と企業への憧れが転職のきっかけ
企業への転職の決め手はなにかありましたか?
転職を意識するようになった大きな理由は、ロールモデルが見つからなかったことでした。
「3年後、5年後にこうなりたい」と思える先輩が身近におらず、このまま同じ働き方を続ける自分の未来が描けませんでした。
一方で、
大学時代に企業でアルバイトをした経験があり、ビジネスの世界への漠然とした憧れもありました。
「看護師は、やろうと思えば戻れる。 でも、企業に挑戦するなら若いうちしかない」
そう考え、義務年限などもあったので3年目での転職を目標に準備を始めました。
看護師から企業営業職への転職活動
転職活動で苦労したことは?
一番大変だったのは、
「看護師以外の自分を、どう説明するか」でした。
看護師として何をしてきたかは説明できても、
それが企業でどう役に立つのかを言葉にするのが難しかったんです。
また、営業職というと
「数字に追われる」「怒られる」「体育会系」
というイメージも強く、本当に自分にできるのか、不安も大きかったです。
それでも、自分の価値観や強みを一つずつ言語化していく中で、
「私は、人と人の間に入って調整することが得意なんだ」
「誰かの選択を支える仕事がしたいんだ」
と少しずつ見えてきました。
なぜその業界(企業)を選んだのですか?
転職活動の中で、私が一番大切にしていたのは
「どんな仕事か」よりも「どんな価値観の中で働けるか」でした。
看護師として働く中で、ずっと心の中にあったのは、
- 頑張った分が、きちんと目に見える形で評価されたい
- 年齢や年次ではなく、フラットに意見を言い合える環境で働きたい
- 周りも本気で成長しようとしている場所に身を置きたい
- 誰かに決められるのではなく、自分の裁量で仕事を進めたい
という思いでした。
これらをすべて満たせる仕事は何だろうと考えたとき、一番しっくりきたのが「営業」という働き方でした。
営業は、結果が数字で見える。
年齢やバックグラウンドに関係なく、実績で評価される。
そして、誰かの指示を待つのではなく、自分で考えて動ける仕事です。
さらに今の会社は、競争があるのにギスギスせず、お互いの成功を共有し合いながら、みんなでレベルを上げていく文化がありました。
「この環境なら、自分はちゃんと伸びていける」
そう思えたことが、この会社を選んだ一番の理由です。
企業転職後のリアルな変化:目に見える評価の喜びと、仕事の「納得感」
転職をしてみて良いこと、苦労したことを教えてください。
良いことは、 頑張りが目に見える形で評価されること。
営業成績で表彰されたり、インセンティブとして給与に反映されたり、
「自分の仕事がちゃんと認められている」と実感できます。
一方で、
看護師の頃よりも、圧倒的に働いています。
フレックスで自由度は高いですが、忙しさは正直あります。
それでも、「やらされている」のではなく「自分で選んで働いている」感覚があるので、納得して続けられています。
企業転職をしてみて気づいたことは?
一番大きな気づきは、
「感情で怒られない」という文化があることでした。
看護の現場では、指導や注意に感情が乗ることも多く、「自分がダメなんだ」と感じてしまう場面もありました。
今の会社では、「なぜそう考えたのか」「次はどうするか」というロジックでフィードバックをもらえます。
できていないことも「伸びしろ」として扱ってもらえる環境で、自分を責めすぎず、前に進めるようになりました。
育休中にキャリアコンサルタント資格を取得:看護師の「自分で選ぶ」キャリアを支えたい
これからやりたいことはありますか?
育休中に、キャリアコンサルタントの資格を取りました。それは、「看護師さんが、自分で選択して生き生きと働けるようになってほしい」と、心から思うようになったからです。
看護師として働く中で、
「このままでいいのかな」
「でも、辞めるのは怖い」
そんな風に立ち止まってしまう人を、何人も見てきました。
そしてそれは、かつての自分自身でもありました。
だから今は、もし同じように悩んでいる看護師さんがいたら、
「一人で抱えなくていいよ」と言える存在でありたいと思っています。
選択肢を一緒に整理して、その人が納得できる道を選べるように、そっと背中を押せるようなサポートがしたいです。本業の方では、まずは育休から復職して、営業の仕事をしっかり思い出すところからですね(笑)。
でも、企業で働く自分と、看護師さんを支える自分、その両方を大切にしながら、これからのキャリアをつくっていきたいと思っています。

