看護師、ベビーシッター、そして助産師へ:変化を恐れず進んだ私のキャリアパス

看護師から助産師へはるさんのキャリアストーリー.

この記事を書いてくれた人

はるさん
開業、2回の進学、複数の転職を経て、看護学位取得、助産師取得後、赤ちゃん訪問助産師として勤務。今は妊娠中のため出産準備にいそしむ日々。

最近のマイブームはアニメと断捨離。

目次

看護師への意外な道のり – 浪人生活からの転身

ーー看護師になったきっかけを教えてください

実は、最初は看護師になるつもりはなかったんです。父から国公立大を目指して浪人する条件に「落ちたら手に職つけるためにも看護学校に行く」。この条件で浪人し、結果として約束通り看護学校に入りました。

実習を進めていくうえで看護師の資格を取っても実務経験がないと、将来苦労しそうという認識もあり、看護師の道に進んでいきました。

多岐にわたる看護師としての経験 – 大学病院、ベビーシッター、産後ケア

 ーー看護師としての業務は何をしていましたか

新卒では地元の大きい2次救急の大学病院に入職。職場が綺麗だったのと新人教育がしっかりしていると評判だったので選びました。配属は整形、泌尿器、眼科の混合病棟。急性期も終末期の患者さんもいたので、日常生活のサポートやオペ後の管理、化学療法、退院指導など幅広く業務を行ってました。

4年目までいましたが、リーダー業務やプリセプターなども経験させていただき、今でもその経験が役に立っています。

その後は看護師としてはベビーシッターを開業、産後ケアホテルでも助産学校進学までの半年勤めました。ベビーシッターは3年くらい続けていました。

業務としては、産後ケアホテルでは生後5日から2ヶ月くらいまでのお子さんの沐浴や寝かしつけ、ミルクなどの日常生活のケアをしつつ、宿泊者からの身体不調などのご相談にものっていました。

ベビーシッターは0歳~7歳くらいまでの子を対象に病児保育なども含めてお世話していました。

子どもごとに個性があって対応に悩むことも多かったですが、とても楽しくやりがいのある仕事でした。

看護師時代の苦悩と喜び – 受け持ち拒否、人間関係、退院支援の達成感

ーー看護師の仕事できつかったことはありますか

入職したての頃にきつかったのは、患者さんからの受け持ち拒否でした。

自分に自信がないことで対応する際も怯えが出てしまったことで拒否され、その時はかなりへこみました。知識をつけていくことで少しずつ治り、拒否もその患者さんだけでしたが態度に出やすい新人だったので、最初は苦労しました。

あとは、人間関係です。基本いい先輩方ばかりだったのですが、「あなたは信用できない」とか「あの子は~」って圧をかけたり、きつい言葉を言う先輩がいたため辛かったです。

周囲からも流せばいいなどアドバイスは貰ってましたが、気持ちが追い付かず…。勤務表を見て不安になったり、胃が痛くなったりよくしてました。4年続けましたがコレに関してはいっこうに治らなかったです。

ーーたのしかったことはありますか?

楽しかったことは患者さんや家族の希望を聞きながらリハさんや薬剤師さん、退院支援看護師と連携してスムーズな退院支援に繋げていくことができた時です。私は多職種の方と関わるのが好きで、ふとした時に聞ける家族や患者の思いを踏まえた退院支援をみんなで作り上げ、質の高い支援を届けられるよう、調整したり、実際にケアに関わったりすることがやりがいの一つでした。よく先生やリハさんに根回しするのもやりがいでした。

キャリアチェンジの転機 – 適応障害、子育て支援への想い、助産師への道

ーー進学を考えたきっかけを教えてください。

病棟4年目で先輩が通信制の大学に通っていたのを聞いて学位取得に興味がわきました。

看護師自体が高学歴化している中、専門卒の自分はもし次のステップ(助産師、保健師、専門看護師等)を踏みたいと思った時に学位がないことがネックになる。そう思って、学位認定を取るために進学を考えました。

ーー開業、転職、助産師への決め手を教えてください。

4年目で適応障害で倒れた時、病棟勤務を続けるのは体力的にも難しいと感じました。

また療養中にこれからライフスタイルの変化の可能性もあると考えると自分の働き方を見直さないといけないと思ったのがきっかけです。

その時「看護師を活かして自分がやりたいことをしたい」と考え、それが子供と関わる事でした。方法を探していくうちにベビーシッターの仕事が看護師を活かせること、また子供と関わるために必要な情報や知識を学びつつ仕事ができる場を考えた結果、小児科クリニックへの転職になりました。

子どもと関わる様々な仕事をしていく中で、産後退院してへとへとになりながら「助けてください…」と依頼してくるお母さんたちの存在を知りました。

「一番ヘルプが出しにくく、ヘルプしにくい産後~未就園児までの家族のサポートをしたい」

そう思って、自分に必要な知識や技術は何か考えた結果、新生児のケアができる産後ケアホテルの転職、そして働く中で、助産の知識の必要性を知り、助産師の道へ進みました。

ーー開業、転職活動はどのようにしましたか?

まずはとにかく「子供と関われる仕事」を軸に探していきました。

どんな仕事があるかもわからずネットで調べたりして、子どもに関わる仕事はどんな仕事があるか、仕事内容も含め、調べていきました。

その中で、看護師という資格を活かせる道はないか、探していっていました。

転職後や助産師取得後も、子どもと関われる仕事からよりどんなかかわり方がしたいかを深掘りしながら情報収集していました。

ーー転職活動で苦労したことはありますか?

開業したり、転職を重ねることで自分がやりたいことがより明確にはなっていたんですが、なかなか病院などの分野ではなかったので、自力で調べるのが大変でした。

赤ちゃん訪問助産師も求人がなかなか出ないので、助産学校時代から調べていたり、とにかく自分がやりたいことが少しでもできる仕事は何があって、自分に何が足りないのか、どんな経験や知識がいるのかを自問自答していました。

ーー赤ちゃん訪問助産師を選んだ理由を教えてください

産後ケアホテルで新生児をみている際、助産師がお母さんに対して関わっている内容を見て、産後のお母さんの心身の変化に合わせたケアや寄り添いをしているのを知りました。

その時に「子どもが元気に育つにはお母さんのケアも絶対必要。」と思いました。それに加え、ベビーシッターで感じていた「一番ヘルプが出しにくく、ヘルプしにくい産後~未就園児までの家族のサポートをしたい」。この思いを両方叶えるためにはどんな仕事がいいか考えました。その結果、病院での助産師ではなく、地域の助産師として生後3~4ヶ月くらいまでにお家に訪問して地域の情報提供もできる「赤ちゃん訪問助産師」に辿りつきました。

ーー転職してみて、良かったこと、苦労したことを教えてください。

良いこととしては、2つありました。

やりたいと思っていた仕事ができたことです。地域の子育て支援情報を知って、その家族に合った情報提供を行う。また、お母さんが困っている育児相談にのることで「できるようになりました!」とお母さんの自信につながった関わりができたのは自分の中でも達成感に繋がっています。

もう1つは、自分のキャリアを考える時に「自分が納得できる働き方」を選ぶ方法や考え方を知ったという点です。

自分は看護師になった当初はとにかく生きるため、とか生活を維持するために働くという感覚しかなかった。でも自分のキャリアを考えた働き方を模索することで自分のスキルや、経験がどう活かせるのか、どう働き方は探せばいいのかを知って実行するいい機会になっていたと思います。

苦労したことはやっぱり助産師としての経験は浅いので、知識不足や経験不足は否めなかったです。分からないことも多かったですし、そもそも役所勤務なんて初めてだったので病院勤務との違いに驚いたり、戸惑ったりすることが多い仕事でした。

あと、土地勘が無かったのもあり、道を覚えるのに苦労しました。

しかし、周りの保健師さんや助産師の先輩方が丁寧に教えてくださったり、その地域ならではの特色も教えてもらえたおかげで色んな家庭と関わることができました。

ーー進学、転職をしてみて気づいたことはありますか?

病院以外の働き方と一言で言っても様々あるということ、自分の納得できる働き方を探すことが医療者本人のためにもなるということです。

「病棟向いていない」って考える看護師も多いと思います。ネガティブな感情で転職を考えることもあると思う。でも、それだけを軸に考えるより、自分が納得できる働き方を考える時間や、自分のスキルを見直す時間があるだけで、本人が選ぶ働き方の選択肢は大きく広がると思っています。それができる医療者が増えれば、医療業界自体もより良いサービス提供や現場環境に変わっていくのではないかと思っています。

なので「できる働き方」じゃなくて「自分が納得できる働き方」を考えるきっかけを作っていくことを社会全体で目指していくことが大切なのかなと思います。

赤ちゃん訪問助産師としてのやりがいと看護師向けキャリアコンサルタントの展望

ーーこれからやりたいことを教えてください

これからやりたいことは2つあります。

1つは「一番ヘルプが出しにくく、ヘルプしにくい産後~未就園児までの家族のサポートをしたい」この気持ちを大事により相手に合った情報提供を行っていくこと。

コレに関しては、産後落ち着いたら助産師として、地域などで情報提供ができる場に参加できればと思っています。

もう1つに関しては看護師向けキャリアコンサルタントとして開業すること。自分の経験も踏まえ、看護師や助産師、看護学生たちに向けて「納得できる働き方を探す」サポートをしていきたいと思っています。

実際、キャリア相談はInstagramで看護師はるさんとして活動していますが、キャリアコンサルタントの資格取得できたため、より本格的にサービスを開始していこうと思っています。

将来的には個人の相談サービスだけでなく、病院や学校などのキャリア教育のセミナーなどができたらと思っています。

母子に関わる助産師&看護師向けキャリアコンサルタントの2軸の働き方ができるのが目標です。

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