病棟看護師からワーホリを経て産業保健師へ!転職の苦労と企業で働くリアル

病棟看護師からワーホリを経て産業保健師へ

「このまま病院で働き続けるのが正解なのだろうか」
そんなふうに感じたことはありませんか?
看護師としての仕事にはやりがいがある一方で、体力的・精神的な負担、働き方の選択肢の少なさに悩むことも少なくありません。今回のキャリアストーリーは、実際に病院勤務を経て産業保健師へ転職した看護師のリアルな経験談をお届けします。

なぜ看護師になり、どのような経緯で企業への転職を決意したのか? そして、転職活動で直面した壁や、企業で働いてみて気づいたこととは?キャリアに悩む看護師・保健師にとって、新たな気づきが得られる内容になっています。ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を書いてくれた人

hana*
アイコン画像は一番好きなパンケーキ
複数転職からの産業保健師5th。最近のマイブームは麻辣湯。英会話はゆるっと。韓国語が話せるようになりたい。最近は第一次産業が気になってる🌈

目次

看護師の仕事できつかったこと、やりがいを感じられたこと

ーー看護師になった理由と看護師としての業務を教えてください。

看護師になった理由

高校生の頃、祖父が入院し、母が介護をすることで祖父の苦痛が和らいでいる場面を見て、自分も苦しんでいる人を助けられる存在になりたいという気持ちが湧きました。介護士だった母に進路相談をした際に、看護師の方ができることが多く、給料面も含め良いと勧められたので看護科を目指し入学しました。

看護師としての業務

新卒では、最寄りで最も規模の大きい総合病院に、修行のつもりで就職しました。配属は急性期・終末期の内科病棟で患者さんの日常生活のサポート、化学療法などの治療の補助、検査の介助など毎日を目まぐるしく過ごし、チームリーダー業務なども経験しました。

その後、ワーキングホリデーのために、応援ナースをしました。応援ナースは期間限定で即戦力として働くことが求められます。1週間程度ですべての業務を覚え、日勤+夜勤は月7~8回あるハードワークでしたが、総合病院の経験があったので乗り越えられました。

ーー看護師の業務できつかったこと、やりがいに感じたことを教えてください。

きつかったこと

分単位で動く業務内容だったため、体力的にきつかったです。精神的にきつかったのは、終末期で看取りが頻繁にあったことです。看護師になってすぐの頃は、「患者さんの看取りが辛い」と泣きながら家族に電話をしたこともありました。家族から「人が亡くなって何も思わない子に育ててないから。人が亡くなって辛いのは当たり前。」と励まされなんとか頑張りました。

経験が長くなるにつれ慣れてくるのですが、慣れすぎて業務の一環になってしまい何も感じなくなる自分が怖くなり、それが退職を決めた一因でもあります。

やりがいを感じたこと

何をしても患者さんからありがとうと言われ、こんなに感謝をされる仕事はないのでは!?とやりがいは大きかったです。
また、同期と先輩たちと仲が良かったので、飲みに行って愚痴を言い合ったり、お出かけしたり、楽しい思い出はたくさんできました。

看護師から企業への転職を考えたきっかけと理由

企業転職を考えたきっかけ

いろんな経験の積み重ね(病棟数か所/ワーキングホリデー/企業数社)だと思います。患者さんが後悔で泣いていたこと、何人もの仕事仲間が心身を疲弊して休職したこと、海外に出たことで今まで自分を犠牲にして働いていたことに気付いたこと、投薬治療だけでは救えなかった症例をたくさん見たこと…どのタイミングで介入すれば、後悔したり苦しんだりする人を少しでも減らせるのかと考えたとき、働く世代への支援が重要だと感じました。また自分の働き方にも目を向けるようになり、そこから産業保健にのめり込みました。

転職の決め手

決め手は外の世界を知ったことです。ワーキングホリデーで病院を離れて、日本を離れて、全く違う仕事・人間関係ができました。現地の看護師からその国の働き方を聞いて違いに驚いたり、自分の今までの環境に疑問を持ったのが大きかったです。

看護師の企業転職、成功のポイントと苦労したこと

ーー産業保健師への転職活動や企業の決め手について教えてください。

産業保健師への転職活動の方法

当時は伝手も知識も何もなかったので、転職エージェントにいくつか登録し、平行してハローワークに行ったり、ネット検索し企業の直接ページから応募をしたりしました。いろいろ応募はしましたが、書類通過は産業保健師の転職に強みを持っているエージェントからしかもらえませんでした。(エージェントの担当者さんが転職歴の多い私の経歴を強みに変えてくれ、紹介してくれていたのだと思います。なので担当者さんとの相性も大事だと思いました。)

産業保健師への転職活動で苦労したこ

一番の苦労は面接でした。当時は面接の際に、頭が真っ白になって言葉が出てこなくなることが何度もありました。面接の失敗体験を重ねて、ますます自信がなくなり、自己肯定感が人生で一番低くかった時期です。対策として医療機関に緊張緩和の相談に行ったり、言葉遣いや話し方をマネしたい人の動画をシャドーイングしたり、家族や友人の前で何度も面接練習をしたりしました。

その業界(企業)を選んだ理由

産業保健師として2社経験がありますが、どちらも内定をもらえたからその企業に決めたというのは大きいです。でも正直好きになれる企業でないと頑張れないとも思っていたので、選んだ理由はそれぞれの企業ごとにあります。

1社目は、コロナの時期で需要が高くなっていた業種だったのですが、そこで働いている従業員のおかげで助かっている人がいることを知っていたので、素敵なお仕事だと思ったからです。

2社目は、地元の資源を生かして製品をつくり、世界に発展させていこうとしていることにエネルギーを感じ感動したからです。

看護師が企業で働くメリットと今後のキャリアプラン

ーー転職をして良かったこと、苦労したことを教えてください。

[良かったこと]
休みがとりやすくなり、家族と過ごせる時間や自分のスケジュールを立てやすくなったのは良かったです。また企業によると思いますが、研修学会などの費用補助を出してくれたり、勤務時間内に学びに行けたりするのは、とてもありがたいと思っています。

[苦労したこと]
産業保健体制の立ち上げや少人数職場を経験し、社内でも理解や協力が得られにくく孤独感は感じやすいと思いました。また正解がなく、常に手探りで進んでいる感じがあります。最初の頃は不確実なことの怖さや解決しないことへの焦りの気持ちが強く、苦しさもありました。急にボールが飛んできたり、全く進まなかったりがあるので、そのあたりの調整は最初も今も苦労しています。

企業転職をしてみて気づいたこと

病院と企業と合わせて複数回転職をしてきました。最初に気づいたことは、自分の常識は非常識ということです。看護師時代は前残業、サービス残業、有休をとらないが当たり前だったので、企業では真逆だったことに衝撃を受けました。社外に昼食を食べに行くのも、持ち場から離れていいの?と新鮮なことがたくさんありました。

最近気づいたのは、どこで働いても大変さがあり、同時に面白さもあるということです。時々「今の仕事は楽でしょ?病院の看護師の方がやりがいあるでしょ?」と聞かれることがあります。

楽をしようと思えばいくらでも手は抜けるかもしれませんが、個人・組織・会社が安全で健やかであるために何ができるかを考えると、沼のようでどこまでも深みにはまり、抜け出せなくなります。その仕事をどう感じるかが自分がどう向き合うか次第だなと思いました。

ーーさいごに、これからのキャリアについて考えていることを教えてください。

これからやりたいこ

[農業]
地方に戻ってきたので、地元の田舎で生きていくためのスキルや、楽しく生きていくための術を身に着けていきたいです。

[大学院への進学]
産業保健の面では、会社が求める成果と、産業保健師から見える課題をどう沿わせるかに悩んでいます。そして地域の潜在化している産業保健の需要にリーチするために、何ができるのかを考えたいです。その一手として大学院への進学に興味がわいています。先日キャリア相談を受け“やりたいことはできるときに!”という気持ちを思い出し、一歩踏みだせればと思いました。

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