看護師・保健師がキャリア相談をするなら「身内」より「第三者」が良い理由

看護師・保健師向けキャリア相談は身内よりも第三者が良い理由

看護師や保健師として働いていると、キャリアに迷う場面は少なくありません。

「このまま臨床で働き続けるのか」「産業保健の道に進むのか」「資格を活かして別の分野に挑戦できるのか」
悩んだとき、多くの人はまず家族や身近な人に相談します。
しかし、キャリアの可能性を広げるためには、実は身内よりも第三者にキャリア相談する方が望ましいとされています。その理由を、心理学やキャリア理論を交えて解説します。

目次

身内にキャリア相談するメリットとデメリット

メリット

  • 看護師や保健師として頑張ってきた姿をよく知っている
  • 精神的に安心できる存在
  • 気軽に話しやすい

デメリット

  • 「安定してほしい」「こうあってほしい」という感情が強く影響する
  • 相談者が本音を言いにくくなる
  • アドバイスが「押し付け」になりやすい

特に看護師・保健師のキャリアは専門性が高いため、医療現場を知らない家族や友人だと「その仕事は大変だからやめた方がいい」「資格を活かせる病院勤務が一番」など、相談者の可能性を狭めてしまうこともあります。

心理的安全性と中立性が必要

心理学者カール・ロジャーズの「来談者中心療法」では、相談関係には「無条件の肯定的関心」「共感的理解」「自己一致」が欠かせないとされています。

しかし、家族やパートナーは「失敗してほしくない」「安定してほしい」という思いが強く、中立的に受けとめるのが難しくなります。看護師や保健師のキャリアに悩む本人にとっては、安心して本音を語れる場が必要です。

役割期待や固定観念に縛られる

ロール理論(役割理論)によれば、人は社会の中で複数の役割を担っています。

ところが身内は「あなたは長女だから安定が一番」「せっかく看護師免許を取ったのだから臨床を続けるべき」など、役割や固定観念を押し付けがちです。

この「役割期待」が強すぎると、本人の新しいキャリアの可能性、例えば保健師への転職や企業での産業保健活動、あるいは資格を活かした異業種への挑戦が見えにくくなってしまいます。

キャリア相談は「答え」ではなく「気づき」が大切

エドガー・シャインの「プロセス・コンサルテーション」では、支援者の役割は「答えを与える」ことではなく「気づきを促すこと」とされています。

しかし、身内はつい「こうした方がいい」「自分はこうだった」とアドバイスに傾きがちです。これでは相談者が自分で選択肢を広げ、納得のいくキャリアを描く機会を失ってしまいます。

第三者であるキャリアコンサルタントなら、看護師・保健師の仕事理解を踏まえつつ、本人の考えを引き出す伴走ができます。

自律的なキャリア選択を支える

自己決定理論(デシ&ライアン)では、人の動機づけを高める要素として「自律性・有能感・関係性」が挙げられています。

キャリアの選択は「自分で決めた」と感じられることが重要です。身内からの意見が強すぎると自律性が失われ、「結局は親やパートナーの言う通りにした」という後悔につながりやすいのです。

また、スーパーのキャリア発達理論でも「キャリアは自己概念の実現」とされています。つまり、看護師・保健師としての前に一人の人間としてどう生きたいかを、自分自身の意思で探求することが欠かせません。

まとめ:身内は「応援者」、相談は「第三者」へ

看護師や保健師がキャリア相談をする際、第三者に相談する方が良い理由は以下の通りです。

  1. 本音を話しやすく、中立性が担保される(ロジャーズ)
  2. 役割期待や固定観念に縛られない(ロール理論)
  3. 気づきを促す支援ができる(シャイン)
  4. 自律的なキャリア選択を支えられる(自己決定理論・スーパー)

もちろん、身内に相談することも大切です。ただし立場は「助言者」ではなく「応援者」として関わってもらう方が効果的です。

看護師・保健師のキャリアは選択肢が多く、悩むことも少なくありません。だからこそ、本格的にキャリアを考えるときは第三者のキャリアコンサルタントに相談し、身内には安心して話せる応援者として支えてもらうことが理想です。

「キャリアに迷っている」「看護師・保健師として次の一歩をどう踏み出すか悩んでいる」という方は、まず第三者に相談することから始めてみてください。

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