こんにちはArchNurse(アーチナース)編集部です。
働き方改革ということで、最近は看護師でも掛け持ちをしたり、副業で収入を得る方が増えてきていると感じます。そんなときにしっかり身につけておくべきなのが雇用契約についての知識です。
このブログでは、契約社員と正社員の違いについて簡単にご説明をしていきたいと思います。
そもそも契約社員とは
契約社員とは、期間の決まった労働契約を結んでは働く労働者のことを指します。一般的に契約社員と言われていますが、法律上では「契約社員」という言葉はなく「有期契約労働者」として扱われます。ですので「契約社員」には仕事内容や福利厚生等に法的な決まりはなく、各法人ごとにその内容は異なります。
契約社員で働く場合は、多くが半年や1年の期間で契約を結びます。契約期間は最長で3年ですが、最短の期間や更新回数には制限がありません。契約期間が終了のタイミングで更新がなければ、別の会社に移る必要があります。
2014年に労働契約法が改正され、同じ職場で通算5年を超えて雇用をした場合は無期雇用契約へ変換することを申請できる。という「無期転換ルール」が定められました。
無期転換ルールとは有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって無期労働契約に転換されるルールです。

このルールによって、有期雇用から無期雇用へ転換ができるようになるため、働く側としては雇用の更新の必要がなくなり安定して働くことができるようになりました。
正社員との違いは
ここからは正社員と契約社員の違いについてもう少し詳しくお伝えしたいと思います。契約社員というのは、有期雇用、つまり期間が決まっていて更新の必要があるということはお分かりいただけたと思います。それ以外にはどのような点で違いがあるのでしょうか?
雇用主は?
正社員と契約社員いずれも雇用主は勤め先となりその企業から直接雇用されます。
福利厚生やボーナスは?
それぞれの会社の規定なので一概には言えないのですが、一般的には正社員よりも待遇が下がるケースがほとんどかと思います。昇進や昇給についても基本的には契約社員の場合は、期間が定められていることから無いケースが多いです。ただ、契約の更新時に給与条件等を見直すことは可能です。
副業ってできるの?
こちらも、法律での定めはなく勤め先の就業規則によります。時代の流れ的には副業を解禁しているところは多いですが、契約時にきちんと確認を取った方がよいと思います。
社会保険には入れるの?
社会保険に関しては条件を満たせば入ることができます。ここには正社員との区別はありません。法律によって決められた条件(労働時間等)を満たせば入ることが可能です。
契約社員のメリットとは?
これまでの流れだと契約社員は正社員よりもデメリットが多い気がしますが、人によってはメリットもあるかと思いますのでその辺りをお伝えします。
あくまでも企業の直接雇用であり、仕事内容や給与も正社員とはそこまで変わらないことが多いです。
また、正社員では募集が出てないような比較的人気の企業であっても契約社員からであれば入社できる可能性があります。企業としても良い人材であれば長く働いて欲しいと考えるため、契約社員から正社員登用ということも十分にあり得ます。ただ、このあたりは事前にその会社の正社員への登用制度や実績について確認しておくとよいと思います。あとは契約社員であれば正社員よりは責任が軽減されるため、比較的残業が少ないということもあるかと思います。
「契約社員」というのは企業によって、条件は異なるので契約時にしっかりと確認をしましょう。
看護師、保健師のキャリアに契約社員はあり?
最後に看護師、保健師の場合の契約社員について考えてみましょう。
基本的には病院をはじめとする医療機関に勤務する際は、契約社員というケースはあまりないと思いますので、契約社員って実際どうなの?という疑問があると思います。
最近は、産業保健師として企業で働いたり、CRCの企業で働くケースが増えています。こういった一般企業での求人は医療機関の求人と比較すると少なく、企業側としても専門職の採用ということで慎重になるので正社員ではなく、契約社員で求人が出るケースが多いです。
もちろん正社員のほうが待遇は良いところが多いですが、本当にその分野で自分がやっていきたいと思っているのであれば、契約社員であったとしても挑戦したほうが良いと思います。
その理由は2つあります。
1つ目は、もし入社した企業と合わないと思えば決めたれた契約期間で辞めて次に移りやすいということ。
2つ目は、企業から必要な人材として認められれば正社員登用も可能性があるということです。
これからは看護師や保健師は新しい働き方が増えてくると思います。そんな時に雇用形態に縛られてしまって、自身のキャリアの選択肢を狭めてしまうのはもったいないと思います。
ただし、そうは言っても正しい知識がないままでは、後悔をしてしまうこともあると思いますので、最低限の知識を得て行動することで自分らしいキャリアを歩んでもらえたらなと思います。