救急看護師からフリーランスへ〜移行期に適した応援ナースという働き方〜

こんにちは。ArchNurseメディア運営チームです。今回は大学病院の看護師から応援ナースへ、今後はフリーランスという働き方を目指しているさやかんさんのキャリア記事です。看護師として働いていく上での悩みや、今後のキャリアについて考えたことなど是非、参考にしてもらえると嬉しいです。

キャリア記事を書いてくれた人

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さやかんさん
大学病院で救急外来で4年間看護師とし従事。2024年3月に退職し、応援ナースをしつつ、キャリアカウンセラーをしています。人生のモットーは死ぬまで楽しみ尽くすこと。そのために理想のキャリアを模索しながら毎日を送っています。趣味は美術館巡り、お香、銭湯、仕事終わりのビール。

目次

看護師への漠然とした憧れと実際になるまでの葛藤

海外で働く看護師への憧れ

 ーー看護師を目指し始めたきっかけは?

中学生のころ海外で働く看護師を知って、どこでも働ける資格ということに魅力を感じたからです。学生時代に通院していて病院が身近だったことや、母から勧められたこともあり海外で働く看護師を目指し始めました。

海外留学ができる大学を目指して合格したものの、ここで大きな問題が発生します。大学での看護の専門授業を受けていく中で、看護師として働くことに疑問を抱くようになったんです。

初めに疑問に感じた授業は「人に針を刺すことは本当なら罪になるけれど、医療だったら罪にならない。けれどその分大きな責任がついてくる」という内容の授業でした。

多分そこまでの覚悟を持って看護師を、目指したわけではなかったので疑問に感じたのだと思います。「安定」「どこでも働ける」ということに、漠然とした魅力を感じていただけだったので、具体的な仕事内容をイメージすればするほど、やりたい仕事なのかわからなくなっていきました。

看護師という職種に違和感を感じ始めていたので、海外で働く看護師への憧れも少しずつ減っていきました。それまで看護師1本で考えていたので、興味のある学部や職種を考えてもどれもピンとこず。

違和感を消化できないまま、現実逃避するかのように大学生ならではのサークルやバイトに夢中になっていったんです。

企業のインターンと臨床実習を比較して看護師になることを決意

ーー違和感を感じていた看護師になった理由は?

真剣に自分のキャリアについて考えることもなく、迎えた大学3年生の夏。看護師という職種に違和感を感じていたので、自分に適した道を見極めるために一般企業のインターンに行きました。

インターンでは今まで考えたことのない、社会の仕組みを考えることに面白さを感じました。内容は面白かったんですが、実際に企業で働いている自分をイメージしてもワクワクしなかったんです。

そのあと迎えた臨床実習。5日間で10時間しか寝れない週もありましたが、1人の患者さんのことを真剣に考えることや人体の仕組みについて学ぶことにやりがいを感じました。

インターンと実習を終えた後に全く医療と関係のない一般企業か、看護師として病院で働くかかなり悩みましたね。最終的に自分が働いていることを想像しやすく、やりがいを感じた看護師になることを決意しました。

数年看護師として働いてそれでも企業に就職したければ、そのときにもう1度キャリアについて考えようと思っていました。

急変対応で培った経験と疲弊していた心

急変に立ち向かい続けた4年間

ーー 看護師としての業務は何をしていた?

新卒から4年間、救急外来・血管造影室・ECUで勤務していました。3つの部署が1つになった部署だったのでいろんなことを経験しました。どの部署でも生命の危機的状況に陥った、患者さんの対応をしていたのでメンタルはかなり鍛えられました。リーダーやプリセプターなど一通りの役割も経験しました。

ーーきつかったことは?

常に命の危機に向き合わないといけない環境がしんどかったです。急変についてずっと考えていると自分の行動の少しの遅れが、命の危機に直結するみたいな感覚があって、かなり疲れを感じていたと思います。

励まし合える同期のおかげでなんとかその環境に慣れていきましたが、年数が上がるにつれて業務外の仕事が増えていったことも負担でした。楽しくない仕事をプライベートで取り組まないといけないことに、ずっと疑問を感じていました。

仕事をし続けた先になりたいと思うようなロールモデルがいれば、どんな仕事でもやりがいを持って頑張れたと思います。けれどなりたいと思う方がいなかったので、やりがいを持ち続けることが難しくなっていきました。

将来を想像しても楽しそうに働く自分が想像できませんでした。

ーー楽しかったことは?

「緊急」って感じの毎日だったので落ち着いている時間に、患者さんとたわいもない話をする時間は楽しかったです。

他には観察したことからアセスメントしたり、次の指示や業務を先読みしたりできるようになったことは楽しかったです。自分の成長を感じることができたのは嬉しかったですね。

心の疲れを気づかせてくれた沖縄の夕陽

ーー退職を考え始めたきっかけは?

3年目のときに漠然と辞めたいなと考えることが多くなっていきました。一通りの業務をこなせるようになって、仕事にやりがいや楽しさを感じることが少なくなっていたからだと思います。

そんな3年目も終わりにさしかかった頃。旅行でいった沖縄で夕陽をみて涙が止まらなくなってしまったことがあったんです。毎日当たり前に繰り返されている夕陽をみて涙が止まらないことに、驚くと同時に自分が思っているよりも心が、疲れているのではないかと気付かされました。

当時の職場を辞めることを決意して、次のキャリアを模索し始めました。

自己分析を通して見つけた価値観

ーー次の道はどのように決めた?

やりたいことがなく生きてきたので、初めに自分が「大切にしたい価値観」「得意なこと」「好きなこと」について分析しました。就職活動のときは自己分析をしなくても、すでに道が決まっていたので社会人4年目にして、人生で初めて自分と向き合いました。

どうせ仕事を変えるなら楽しく働きたいという想いがあったので、自分が楽しく働ける仕事内容や理想の働き方についても考えました。

ーー自己分析で見つけた大切にしたい価値観とは?

私にとって1番大切にしたい価値観は「自分と周りを大切にする」ことだったんです。この価値観を満たすためには看護師として、病院で働き続ける働き方では限界があると思いました。

理想を深掘りして解像度をあげていったことで、過ごしたい「人」「時間」「場所」を自分で選ぶことができるフリーランスという働き方が、自分にあっているのではないかと考えるようになりました。

病院で働いていた頃の同期がフリーランスとして働き始めたことも、考え始めた大きな理由だったと思います。同期がいなければフリーランスという選択肢は、私の中に絶対になかったです。

フリーランスとして働くためにいろんな情報収集をして、オンラインキャリアスクールで学び始めました。現在も絶賛学習中ですが毎日が楽しくて、今の道を選んで良かったと本気で思います。

自由度が高い応援ナースという働き方

キャリアをグラデーションしていくことができる

ーー応援ナースを考え始めたきっかけは?

いきなりフリーランスになって収入が下がることが、私の性格上かなり苦しくなりそうだと感じたので、徐々にフリーランスとしての収入を確保していきたいと考えました。キャリアをグラデーションしていくイメージが近いかもしれません。

前職は副業禁止だったので副業をしながら、働く場所や期間が自由な応援ナースという働き方に、興味を持ち始めました。退職を決意させてくれた沖縄で働くことができるということも、考え始めたきっかけの1つでしたね。

ーーどうやって情報収集した?

「応援ナース」とインターネットで調べてみると、ナースパワーという看護師専門の紹介サイトが出てきました。無料の説明会が各地で開催されていたので、友人と気軽に参加してみました。

説明会では実際に応援ナースとして働いたことがある方の話を聞いて、エージェントの方と軽めの面談をしました。応援ナースの求人や働き方、給料等を知ることができたので、直接参加してよかったと思います。

ーー働くことを決意できた理由は?

いろんな情報を踏まえて沖縄に住むという理想を叶えながら、看護師からフリーランスになるという移行期に、適した働き方だと思ったからです。期間も3ヶ月と決めていたので「3ヶ月だし1回やってみよう」と思えたことも決意できた理由の1つだと思います。

ーーなるために実際にやったことは?

働きたい時期の1、2ヶ月前に自分からナースパワーに連絡して、希望する条件に当てはまる求人をいくつか送ってもらいました。その中で自分の希望条件に当てはまる勤務地を選びました。実際に応募して面接したところは1箇所のみです。

ナースパワーの担当の方が書類の書き方や面接対策など、どうすればいいか教えてくれるので十分対策すれば、書類も面接も通ると思います。

「どこでも働ける」という看護師資格の強みを活かすことができる

ーー実際に働いてみて良いことと苦労したことは?

良かったことはやっぱり憧れの沖縄に安く住むことができていることですね。働いているとしんどいこともありますが、沖縄の自然豊かな景色に癒されることが多いです。

他にはお金系のメリットも感じています。税金・保険等の支払いを病院側で支払ってもらえたり、応援手当をもらえたりするのはかなりありがたいです。

苦労したことは病院や部署独自のルールに慣れることですね。情報収集1つにしても電子カルテが違うだけで、かなり時間を取られてしまうので大変だなとつくづく感じています。

けれど期間限定と割り切っているので、多少しんどいことも頑張れています。

ーー応援ナースという働き方をどう思う?

「どこでも働ける」という看護師資格の強みを、活かすことができる働き方だと思います。住みたい場所があって看護師としての資格を、活かして働きたいと考えている人にはかなりおすすめです。

選択肢を広げる+自己分析→理想のキャリア

ーーこれからやりたいことは?

Auch Nurseでやっていきたいことは主に2つあります。

キャリアに悩む方の選択肢を広げる活動

「知らないことは選べない」

この言葉は憧れている方にもらった言葉で、常に私の心にある言葉です。この言葉を聞いて当たり前だと思われる方もいるかもしれませんが、以前の私にとっては衝撃的な言葉でした。

最近になっていろんな情報収集をするようになりましたが、以前までそんな考えは全くと言っていいほどありませんでした。仕事の日は朝から晩まで働いて同僚とグチをこぼす飲み会に明け暮れ、プライベートの日は仕事のストレスを発散するかのように散財する日々。

過去の日々も楽しかったんですが漠然とこんな毎日が、ずっと続くかもしれないことにずっとモヤモヤを感じていました。今はいろんな選択肢を知ったことで、自分に合った選択ができるようになったと思います。

過去の私と同じようにキャリアに悩んでいる方にこそ、選択肢は思っているよりもたくさんあるということを知ってもらいたいと考えています。

自己分析のお手伝い

評価されるための自己分析じゃなくて、本当に自分のための自己分析のお手伝いをしていきたいと考えています。学生のときから専門職を目指している方は、1つの資格を目指して頑張っていると思います。

目標に向かって頑張ることはとても素敵なことだと思うんですが、その反面、自己分析が不足していたり視野が狭まっていたりすることもあるのではないかと思います。私自身の経験から学生のときにもっと、自己分析をすれば良かったと思うことが多いです。

自己分析をすることでより納得感を持って、進みたい道に進むことができるのではないか。そんな風に生きていける人を増やしていきたいと思っています。

「選択肢を広げること」「自己分析をすること」

この2つで自分に適した素敵なキャリアを描いていけるはず。AuchNurseの活動を通して納得感があるキャリアを、選択できる人を増やしていきたいと思っています!

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