【保存版】20代、30代の看護師・保健師必見!「Will-Can-MUST」のキャリア戦略

20代看護師のキャリア戦略

人生100年時代のキャリアは、かつてのように「一つの職場で定年まで勤める」レールはなくなりました。テクノロジーの進化や雇用の流動化、価値観の多様化により、看護師・保健師のキャリアもまた多方向に広がっています。そんな不確実な時代を生き抜くための指針となるのが「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「MUST(求められること)」のフレームワークです。

なかでも20代は、この三つの要素の中で「MUST」を徹底することが何よりも重要な時期。与えられた業務を100%やり切る姿勢は、単なる経験の積み重ねではなく、将来のキャリアを自在に選択できる強固な土台を築きます。

本記事では、20代、30代を中心に年代ごとに大切なキャリア戦略思考を解説していきます。

目次

20代の戦略:MUSTで土台を固める80%で満足せず、100%やり切る

20代は看護師・保健師キャリアの基盤を作る時期です。この年代で最も重要なのは「MUST=所属している組織から求められること」を徹底的にやり切ること。

MUSTを徹底する

具体的には、目の前の患者さんへの質の高いケア、急変時の迅速・的確な対応、記録や申し送りの正確性の維持、そして委員会活動や学びへの積極的な参加などが挙げられます。これらを全力でやり切ることで、自然とCan(できること)が増えていきます。

MUSTの項目においては、「とりあえずこなす」という姿勢ではなく、自身に与えられた目の前のことを100%やり切る意識を持つことが最も大切です。なんとなく80%で済ませるのと、細部にまでこだわって100%でやり切るのとでは、周囲に見えているあなたの熱意や、そこからあなたが得られる知識や経験の量に大きな差が出ます。この徹底的なコミットメントが、後のキャリア戦略を支える強固な基盤となるのです。

Canを積み重ねる

日々の臨床経験を通じて、多くの症例を見て病態を理解するアセスメント能力、医師やリハビリ職と連携する多職種連携スキル、限られた時間で業務をやり切るタスク管理能力といったスキルが鍛えられます。これらは将来、認定看護師・訪問看護といった医療業界の中だけではなく、産業保健師や一般企業などへのキャリアの選択肢を広げる確かな土台となります。

さらに重要な点として、これらのスキルは医療分野に限らず、他業界や他職種でも十分に活用できるポータブルスキルになるということです。例えば、危機管理能力や複雑な状況下での冷静な判断力は、企業のプロジェクトマネジメントや教育現場でのリーダーシップにも応用可能です。看護師・保健師として培った高い対人折衝能力や問題解決能力は、あなたの社会人としての市場価値を大きく高める資産となるでしょう。

Willを無視しない

「臨床で精一杯だからWillは後回し」と思われがちですが、20代でWillの種をまくことが30代以降のキャリアの幅を決めます。例えば、特定の疾患に関心があるなら外部研修を調べたり、予防に興味があるならヘルスケア系の勉強会に参加したり、医療とITの融合に興味があるならSNSやWeb発信に挑戦してみたりすることが大切です。小さな行動で構いません。それが未来の選択肢を広げるきっかけになります。

また、もしあなたが病院以外のキャリアに興味を持ち始めたなら、さまざまな業界業種で活躍する看護師・保健師とフラットに話せる「ふらっとなかめ」を覗いてみてください。一歩踏み出した先輩たちのリアルな声を聞くことは、あなたのWillを具体化し、キャリア戦略を描く上で大きな刺激となるはずです。

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「Willの種まき」という観点からは、20代のうちに転職活動してみることもオススメです。この時期は、看護師・保健師としての基礎スキルに加え、あなたの潜在能力や意欲(Will)が評価される「ポテンシャル採用」の枠が他年代よりも開かれています。キャリアチェンジや異業種への挑戦も検討しているなら、このポテンシャルが最も評価されやすい20代を逃さず、積極的に市場価値を探る行動を起こすことが、将来のキャリア戦略において大きなチャンスにつながります。

30代の戦略:Canを収益化し、Willに投資する

20代で積み上げた経験(Can)が実を結び始めるのが30代です。30代になると、結婚や出産、子育てなどのライフイベントが増え、自分だけでコントロールできない要素が一気に増えてキャリア戦略の難易度は急激に上がります。だからこそ、20代の土台作りが将来の選択肢を確保する上で非常に重要だとも言えます。

30代のMUSTの再定義

20代のMUSTは職場の業務に集中していましたが、30代になるとその定義が大きく変わります。この年代のMUSTは、組織からの要求に加え、「家族」「育児」「介護」といったプライベートな要素が加わり、その優先順位が仕事よりも高くなる場合も出てきます。そのため、30代のキャリア戦略では、「組織から求められること」と「生活の中で優先すべきこと」という二つの側面を持つMUSTのバランスをどのように取るか、そして、その両立のためにどのような働き方(時短勤務、異動、転職など)を選択するかが非常に重要になってきます。この自身のMUSTの再定義こそが、30代のキャリアを成功に導く鍵となります。

Canを収益化する

病棟でのチームリーダーやプリセプターを経験し、専門分野でのスキルを深めて昇進・異動のチャンスを掴んだり、あるいは副業や転職といった新しい働き方を試したりすることで、「稼ぐ力」を強化することができるのもこのタイミングです。これは、単に与えられた業務をこなすだけでなく、20代で培った確かな実績とスキルを活かし、チームや組織に対して明確な貢献を示すことで、さらにCanを増やしていくフェーズです。市場価値を高め、その結果として収入もしっかりと上げていくことを強く意識し、自律したキャリアを築くための重要なステップとなります。

仮に、出産や子育てなどで組織や仕事を一時的に離れることになったとしても、その経験こそがあなたにしかないあなた自身の特別なキャリアの資産となります。限られた時間の中で最大の成果を出す時間管理能力や、予期せぬ事態への対応力、家族の健康を守る知識は、新たなCanを生み出し、場合によってはこれまでとは違ったWillが生まれて、新たな分野で活躍するための準備期間となることもあります。ライフイベントはキャリアの妨げではなく、新しい自分と出会えたり、スキルアップの機会と捉えることは非常に重要です。

Willに投資する

収益で得た余裕を、Willの実現に投資しましょう。30代でのWillへの投資は、単に資格を取るという選択肢に留まりません。看護師として認定看護師や専門看護師の資格取得を目指すことはもちろん、より深く学術的な視点を身につけるための大学院への進学も選択肢の1つです。また、これまでの臨床経験を活かして、医療と他分野(IT、経営、教育など)との橋渡し役を目指したり、新しい事業やサービスの創出に関わるという道もあります。

さらに、看護師・保健師という枠にとらわれず、自身の強みを活かして全く違う分野のスキルを深めることも、この年代で挑戦すべきことです。例えば、高度なデータ分析スキルや、プロジェクトを推進するマネジメント能力など、異分野のスキルを看護師・保健師の知見と融合させることで、あなたの市場価値は飛躍的に高められるチャンスです。30代はキャリアの方向転換が可能な最後のタイミングでもあります。「本当にやりたいこと」に挑戦し、専門性を高めることが、長期的なキャリア戦略において大きな価値を持つ年代です。

40代以降のキャリア戦略:自律とウェルビーイングの実現

30代までにWill-Can-MUST戦略で強固な基盤を作っておけば、40代以降は組織に依存しない、自律したキャリアへと少しずつ移行していきます。40代は、積み上げた知識と経験(Can)を指導力・影響力として最大限に発揮し、組織内での役割を担いつつ、Willに基づき病院外の地域や異業種との人脈作りも加速させることができます。この外部基盤の確立が、将来の選択肢を担保します。

続く50代では、盤石なCanと情熱(Will)を融合させ、キャリアの集大成を迎えていくフェーズに入ります。自らの「やりたいこと」をベースに教育活動やコンサルタントとして独立するなど、これまでの経験が社会のためになったり、後進育成につながり収益と「喜び」が結びついた働き方を実現できます。

20代から続けた自己投資が、この40代以降のキャリア戦略を支え、仕事が義務ではなくウェルビーイングを高める活動へと変わり、人生の好循環を生み出すのです。ここまで来ていれば「看護師」「保健師」という資格や肩書きの枠にとらわれず、「私自身」というアイデンティティが優先された理想的なキャリアを実現し、社会に価値を還元することができるでしょう。

まとめ:いますぐWill-Can-MUSTを見直そう

看護師・保健師のキャリアの選択肢は広がります。しかし、それは手放しで喜べる状態ではなくこれまでしっかりと敷かれていた「安定というレール」がなくなるということでもあります。だからこそ自らキャリア切り拓いていくようなキャリア自律が求められています。

そのために、20代MUSTを徹底して土台を固め、30代はCanを収益化してWillに投資し、40代以降はその盤石な基盤を活かし、WillCanを融合させて自分らしいウェルビーイングを実現していく、という流れが重要です。この流れの中で、特に20代30代は、その後のキャリアの質と幅を決める重要な時期です。20代でMUSTを徹底し、30代でWillに積極的に投資することは、目の前の業務をこなすだけでなく、将来の人生の自由度を高めるための「キャリア戦略」です。この初期段階での努力と選択こそが、40代以降の自律した働き方と豊かなウェルビーイングを享受するための、最も大切な鍵となります。

自分のキャリアは自分で創る時代!楽しんでいきましょう。

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この記事を書いた人

けんいちのアバター けんいち キャリアコンサルタント

看護師の転職支援に約10年携わり、2019年に国家資格キャリアコンサルタントを取得。
2020年に看護師キャリアコミュニティ「ArchNurse」を立ち上げ、キャリア支援のプロジェクトを複数展開しながら、産業保健、健康経営関連サービスの企画職として従事。

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