産業保健師に向いている人の特徴3選!病棟看護師との違いは?

コラム「産業保健師に向いている人の特徴3選!病棟看護師との違いは?」のアイキャッチ

人生100年時代と言われる現代において、
「健康で長く働ける環境づくり」に取り組む企業が増えており
企業で働く人の健康管理を行う産業保健師の重要性はますます高まっています。

そこで今回は、企業で働く従業員の健康を支える重要な役割を担う「産業保健師」について
産業保健師に向いている人の特徴や資質、
病棟看護師との違い
を掘り下げていきたいと思います。

・産業保健師に向いている人って?
・産業保健師と病棟看護師どっちが向いているか知りたい!

目次

産業保健師に必要な資質


高いコミュニケーション能力がある

産業保健師は、企業で働く従業員と日常的に接する機会が多く、健康相談や保健指導では、相手の話を丁寧に聞き取り、その背景や気持ちを汲み取ったうえで、的確かつ実践的なアドバイスを行う力が求められます。
また、産業医や人事労務担当者、時には企業の経営層、さらには外部の医療・福祉関係者など、多様な人々と連携しながら業務を進める必要があります。
そのため、高いコミュニケーション能力や傾聴力チームワークが欠かせません。

また、対象者の年齢や健康リテラシーに応じて、専門用語をかみ砕いて伝える工夫や、相手の理解度に合わせた説明力も求められます。

個別性のある支援ができる

産業保健師の業務は、対象者や状況に応じて柔軟に対応する必要があります。
マニュアル通りではなく、個々の従業員の生活スタイルや価値観に合わせて
無理のない目標設定をするなど、個別性を重視した支援ができる人が向いています。
企業という環境は病院とは大きく異なるため、企業文化や特有の健康問題(長時間労働、メンタルヘルスなど)に対応できる環境適応能力も求められます。

主体性・向上心がある

産業保健師は、健康管理やメンタルヘルスの専門家として、必要に応じてさまざまな提案をする立場にあります。健康診断の結果分析に基づいた改善提案や、健康教育・イベントの企画・実行、さらには医療機関や産業医、人事労務部門、関係業者との連絡・調整など、自ら考えて提案し、行動できる主体性が求められます。また、各種報告書や提案資料の作成、データ分析なども行うため、データ分析力やPCスキルも重要です。

また産業保健師には新しい知識や技術を学ぶ向上心と学習意欲が不可欠です。最新の情報をキャッチし、自ら学び続ける意欲を持ち続けることが重要です。

産業保健師と病棟看護師どっちが合ってる?

看護師資格を活かして働く産業保健師ですが、病院で働く病棟看護師とは異なる点が多いため、
どちらが自分に合っているかを見極めることが大切です。

産業保健師の働き方と特徴

夜勤がない: 産業保健師は基本的に平日の週5日勤務で土日休みであり、夜勤がありません。
そのため、生活習慣を整えやすく、仕事とプライベートの両立がしやすいと言われています。

デスクワーク中心: 業務はデスクワークが中心となり、メール対応、企画案作成、健康診断フォローなど多岐にわたります。そのため、運動不足や肩こり、目の疲労が起こりやすいと感じる場合もあります。

予防的アプローチ: 日常生活に大きな支障なく働いている方の健康管理を行うため、予防的なアプローチが必要になります。これは、病気やケガで医療を必要とする人々の世話を行う病棟看護師との大きな違いです。

自己学習の必要性: 勤めている先が病院ではないため、自分で勉強をして知識の更新をしていく必要があります。自分でセミナーに足を運んだり、コミュニティに参加したりして産業保健師同士で繋がりを持つ方も多いです。

病棟看護師との違い

病棟看護師は、病院などの医療機関で、病気やケガの治療を必要とする患者さんのケアに直接携わる職種です。点滴や投薬管理、バイタルチェック、清拭や食事介助などの身体的ケア、急変時の対応など、幅広い看護技術と臨床判断力が求められます。

人命に関わる責任とプレッシャー: 病棟では、状態が不安定な患者さんの命を預かる場面も多く、医療行為の正確性や判断の速さが問われるため、高い責任感とストレス耐性が必要です。その分、患者さんの回復を間近で見守ることができる達成感ややりがいも非常に大きく、看護職としての喜びを強く実感できる仕事でもあります。

夜勤やシフト勤務による生活リズムの不規則さ: 病棟勤務では、夜勤や早番・遅番などの交代制勤務が一般的で、生活リズムが不規則になりがちです。体力的・精神的な負担は大きいものの、夜勤手当などによって給与面では安定しやすいという特徴もあります。

チーム医療と濃密な人間関係: 医師、薬剤師、リハビリスタッフなど多職種と連携したチーム医療を実践する場であるため、チームワーク力や報連相のスキルが重要です。

直接的な治療・ケアに重きを置く働き方: 病棟看護師は、主に疾患を抱える患者さんの治療や療養を支えるケアが中心です。健康な人への予防的な支援を行う産業保健師とは対照的に、病状の改善や急性期対応など、直接的な医療支援に重きを置くことが特徴です。

「予防的なアプローチを重視したいのか」
「人の命に関わる現場で直接的な治療やケアに携わりたいのか」
といった仕事観や、
「デスクワーク中心の働き方が合うか」「身体を動かしながら現場で働くのが好きか」といった適性の違い、
また「少人数の独立した環境で働きたいか」「多職種と連携するチーム環境を望むか」といった人間関係の好みによって、産業保健師と病棟看護師のどちらが自分に合っているかが変わってきます。

ライフスタイルやキャリアの方向性、性格、看護観をよく見つめ直し、
自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

産業保健師の魅力とやりがい

健康経営への貢献: 近年、企業の生産性向上には従業員の健康維持・増進が不可欠との認識が広がり、「健康経営」の考え方が浸透しています。産業保健師は、この健康経営の中心的な役割を担い、健康で長く働ける環境づくりに貢献できます。

予防の専門家として活躍: ケガや病気の予防を専門とし、健康診断のデータ分析、ストレスチェックの実施、健康教育、感染症対策など、多岐にわたる予防活動を通じて従業員の健康を支援します。

幅広い知識とスキルが身につく: 看護の基礎知識に加え、公衆衛生学、疫学、社会福祉、行政の視点、コミュニケーション能力、マネジメント力など、幅広い知識とスキルを身につけることができます。

成果を実感できる喜び: 従業員が健康になり、いきいきと働く姿や、健康改善の成果を間近で見られることは、大きな達成感につながるでしょう。生活習慣の改善、要介護状態になるのを予防できた時など、自分の支援が実を結んだ瞬間は何物にも代えがたい感動があります。

多様な連携によるチーム医療: 産業医や人事労務担当者、経営層、外部の医療機関や関係業者など、様々な立場の人々と連携し、チームとして従業員の健康支援に取り組むことができます。

まとめ

産業保健師は、企業で働く従業員の健康と安全を支援し、病気の予防や健康増進を専門とする非常に重要な役割を担っています。高いコミュニケーション能力や共感力、柔軟性、向上心、主体性、そしてチームワークと協調性といった多様な資質が求められます。

ArchNurseでは、産業保健師や企業で働く看護師、働きたい看護師が集まる場「ふらっとなかめ」を月1回開催しています。もし興味があれば以下のコラムもお読みください!

あわせて読みたい
ふらっとなかめとは 「キャリアについて気軽に話せる場所があったらいいのに」そんな想いから生まれたのが、ふらっとなかめです。 この記事では、ふらっとなかめのコンセプトや始まりのきっ...
よかったらシェアしてください( ^ω^ )
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次