【イベントレポート】「離れることは、空白ではない」キャリアブレイク研究所・北野貴大さんと学ぶ、看護職のキャリアブレイク

看護師保健師のためのキャリアブレイクセミナーレポート

2026年1月31日(土)ArchNurse(アーチナース)主催のウェビナーが開催されました 。

「とりあえず3年は働かなきゃ」「一度レールを外れたら戻れない気がする」そんな呪縛やモヤモヤを抱える看護職の方に向けて、一時的な離職や休職を大切な転機として捉え直す「キャリアブレイク」について、第一人者の北野貴大さんをお招きして深掘りしました。

本記事では、イベントの概要と、参加者アンケートから得られた「気づき」をお届けします。

目次

キャリアブレイクとは?「人生を俯瞰し、節目を作る時間」

イベント冒頭、ゲストの北野貴大さん(一般社団法人キャリアブレイク研究所 代表)から「キャリアブレイク」の概念についてお話がありました。また、北野さんがキャリアブレイクを知ることになったきっかけなどの話もありました。

「竹も節目がないとすぐに折れてしまいますが、節目を作ることでしなやかに長く成長します。病気や子育てなど理由はどうであれ、一度キャリアを中断して全体像を見ることは、人生を強くする『節目』になります」キャリアブレイクは、人生を俯瞰し、節目を作る時間」といったお話もありました。

経験者トーク:休職中の罪悪感を消した「小さなイエス」

続いて、実際に看護師1年目の冬に体調を崩し、休職(キャリアブレイク)を経験したみゆこんさん(ArchNurse運営)のエピソードが紹介されました。

当初は「みんな働いているのにゴロゴロしていていいのか」という罪悪感があったそうですが、回復期に実践したある行動が転機になったといいます。

「小さなイエスを積み重ねる」散歩に行きたい、筋トレをしたいといった、自分の内側から湧き出る小さな「やりたい(イエス)」を叶えてあげること。これを繰り返すことで、徐々に自信と元気を取り戻していきました。

北野さんはこのエピソードに対し、「キャリアブレイク中に模索し、納得感を得ることが人生を強くする」とコメント。この期間に自分自身と向き合った経験が、その後の納得のいくキャリア選択に繋がりました。

ディスカッション:「ブランク」ではなく「轍(わだち)」

後半のパネルディスカッションやQ&Aでは、参加者からのリアルな悩みに答えました。その一部をご紹介します。

Q. 育休中などで同期に置いていかれる焦りがあります。

この悩みに対し、参加者からキャリアラダーというコメントがあり、このラダーという考え方も「焦り」に繋がっているのではないかという話が出ました。また、「人生100年時代という長い時間軸」で捉えることも大切であるという話もありました。長い人生において、子育てに専念したいと選んだ時間は、ほんの1-2%程度の時間であり、全体で見れば「納得できる選択」であると肯定されました。

また、北野さんからは「キャリア」という言葉の本来の意味についての話もありました。

キャリア(Career)の語源は、馬車が通った後にできる『轍(わだち)』のことです。働いていようが、休んでいようが、子育てしていようが、生きて歩いた分だけ轍(キャリア)は残ります。決して職歴だけがキャリアではありません」

参加者の声:ネガティブな「傷」から、ポジティブな「転機」へ

今回のウェビナーは、あえて資料投影は少なく、ラジオのように耳だけでも楽しめるスタイルで進行されました。その結果、チャット欄は参加者からの共感の声や自身の体験談で溢れ、「対話的な場(サードプレイス)をオンライン上で実現することもできました。その様子がお伝えできないのは残念ですが、参加後のアンケートの一部をご紹介できればと思います。

参加後アンケートに寄せられたコメント

■「空白期間」の捉え方が変わった

  「どうしても空白期間はネガティブに捉えられがちですし、特に疾病による休職は『傷』として捉えられてしまう社会ですが、そうではなくあくまでも一つの転機であり、自分の生き方を考える時期であると学ぶことができました」

「今まで無職を恐れていたし、自分の中にも偏見があって生きにくくしていましたが、もっと日本でも広まるといいなと思いました」

■ 「納得感」というキーワードへの共感

  「『納得感が人生を強くする』という言葉が大変心に残りました。自分は人生に納得できているか?と聞かれるとNoに近いので、自分を認めるところから始めたいと思いました」

 「仕事から離れたことで、どんな風に生きていきたいか、何を大事にしたいのか考えたのは、仕事から離れたからこそ(キャリアブレイクがあったからこそ)かもと思えました」

■ 焦りが希望に変わった

 「育休中でキャリアへの焦りを感じながら過ごしていましたが、せっかくの機会なので人生を見つめ直す時間として大切にしたいと思います」

 「看護師という職業は一度離れると戻れるか不安になることも多いので、話を聞けてよかった」

終わりに

「キャリアのレールから外れること」への漠然とした恐怖心や不安感は、多くの看護職が抱える共通の課題です。しかし、今回の90分間のセッションは、そのネガティブな感情を払拭し、「自分らしい人生を主体的にデザインするための重要な節目」というポジティブな希望へと変えてくれる、非常に価値のある時間となりました。

参加者の皆さんが、それぞれの人生の節目や価値観を共有し、共感し合う様子は、ArchNurseが目指すコミュニティ(サードプレイス)を体現していました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。

おまけ

生成AI(NotebookLM)によるインフォグラフィックです。とてもよくまとまっているので是非ご覧ください。

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