こんにちは。ArchNurseメディア運営チームです。今回の記事は、行政保健師や美容看護師としての経験から見えた課題と気づき、転職活動の苦労と乗り越えた方法、そして今後の展望と転職を目指す方へのメッセージ等、リアルなエピソードとともにお届けします。キャリアに悩む方へのヒントが詰まった内容ですので、是非最後まで読んてください。
「行政保健師と美容看護師時代の仕事内容および転職のきっかけ
ー行政保健師と美容看護師の業務について教えてください。
行政保健師としては、主に健康教室の運営、面談、訪問を行っていました。美容看護師としては美容クリニックにて美容皮膚科の施術を行っていました。
ーそれぞれの仕事できつかったことはどんなことですか?
▶︎行政保健師
「行政保健師=公務員だから定時で帰れて羨ましい」「公務員は収入が安定しているし、入社できたら一生安泰だね」といった声をよく耳にしますが、現実は真逆でした。
毎日夜遅くまで残業、終わらなかったものは持ち帰り、サービス残業の精神で残業代がつかないなど‥ひどい時には、朝6時出社して終電で退勤する日もありました。帰りたい気持ちはあっても残業しなければ生活していけない給料なので、生活残業をする人は多かったです。
▶︎美容看護師
お客様の皮膚の悩み改善に関わる仕事ではありますが、大枠はルーティンワークでした。保健師として様々なことを考えて仕事をしてきたので、やりがいをあまり感じられず、保健師に戻りたいなと思う場面が多々ありました。
ーそれぞれの仕事で楽しかったことはどんなことですか?
▶︎保健師
保健師の仕事は本当に楽しかったです。個別性のある支援をすることはとてもやりがいがありました。例えば、対象者がろう者であれば挨拶や自己紹介は手話でできるように勉強する、外国籍の方には翻訳した書類を作成するなどです。自分自身もその方と関わらなければ学ばなかった分野なので、人としても様々な経験を積み成長することができたと感じています。
▶︎美容看護師
お客様が綺麗になっていく過程を見ること、感謝していただけたときには嬉しさを感じました。口コミや社内評価制度でお給料にインセンティブがつく形態だったので、自分の頑張りがお金として反映されるのは嬉しかったです。
ーー企業(産業保健師)への転職を考えたきっかけを教えてください
保健師の仕事は好きでしたが、業務過多や人間関係などの問題から体調を崩したことがきっかけで1回目の転職を考えました。興味のある分野×日勤で生活リズムが整う仕事で考えた時に、美容看護師が合うのではと思い、美容看護師に転職をしました。
美容業界で仕事をしましたが、一度保健師という仕事を離れてみたことで、改めて保健師の仕事が好きだと再確認し、再び保健師の道を考えるようになりました。
その際に、行政ではなく職場の人間関係や環境によって好きな仕事を辞めることになる人、仕事がきっかけでメンタル疾患になる人を減らしたいと思い、産業保健師に転職を決めました。
書類選考が通過せずに苦労した転職活動
ーー転職活動はどのようなことをしましたか?
自己分析
マインドマップの作成…自分はどういう人間なのか、10年後にどうなっていたいのか、今何に興味があるのかなどをルーズリーフに書き出しました。
書籍「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0」の診断テスト…自分の強みをウェブテストで見える化してくれる特典が付いていました。自分が考える強みと客観的評価での強みに相違がないか、自分が気づいていない強みは何かなど自己分析にとても役立ちました。
転職サイトの登録
転職エージェント(担当者)とは相性の合う合わないもあるので、複数登録して自分の転職に真摯な向き合ってくれる方を見定めながら進めました。ハローワークにも足を運んで情報収集をしました。
企業への応募
履歴書作成…企業ごとに作成していました。
企業分析…企業ホームページ、SNSアカウント、競合企業との比較などを行いました。その企業の課題は何か、自分が入社したらどんなメリットがあるのかなど言語化できるように分析には時間をかけました。
面接練習
1社ごとにエージェントと練習をしました。ネットに「第二新卒でよく聞かれる面接での質問」といった記事は多くあるため、よくある質問をルーズリーフに書き出し、自分の考えを整理していきました。
1人で練習する時には鏡の前で自分の顔を見ながら行いました。
ーー転職活動で苦労したことは?
「とにかく履歴書が通らなかった!」
臨床経験がなく、行政での経験も短かったため、履歴書がまず通りませんでした。私が転職活動していた頃は「保健師は1社に1人いればよい」、「明日からでも働ける即戦力の経験者を募集」という企業が多く、ハードルが高かったです。美容看護師を退職する半年前から転職活動していたのに1社も決まらず、人生終わったな〜と悲観的になったり、両親の励ましを聞いて号泣したりしていました。
実際に産業保健師へ転職をしてみて感じていること
行政保健師の頃は「仕事は好きだけど環境が悪くて不健康」、美容看護師の頃は「健康だけど仕事にやりがいを感じられない」とそれぞれ悩みがありました。今は健康的に、やりがいを感じながら働くことができています。
ーー具体的にやりがいを感じられたこと、苦労したことを教えてください。
▶︎やりがいを感じられたこと
「企業」なので、福利厚生がしっかりしています。行政の方が有給日数は多くありましたが、法律で決まっている最低限の日数しか取得ができませんでした。今では休暇を自由に取得ができ、在宅ワークができることなど健康に働ける環境です。
分析・企画したことを実際に事業として展開ができます。保健師(医療職)としてしっかりその専門性を活かした仕事ができることは楽しいですし、やりがいを感じることができます。
▶︎苦労したこと
「パソコンスキルの求められるレベルが高い!」
ExcelやPowerPointを使ったポスター作成などは公務員の頃より高いレベルのものが求められました。ある企業の面接時に事前告知なしのパソコンテストがあり、企業は一定のパソコン能力を求めているのではと思います。
ーー企業転職をしてみて気づいたことは?
「前例がないなら自分が最初の1例になればいい」
ほとんどの転職エージェントから「未経験で臨床経験もないのに産業保健なんて前例がない」、「無謀な挑戦すぎる」、「臨床で最低3年勤務するしか道はない」といった意見を頂きました。それでも、産業保健師になりたいという強い気持ち、転職活動の準備があれば未経験でも転職できると思います。転職できた私が断言します!
これから|興味関心がある分野の学びを深めていきたい
ーー最後に今後やっていきたいことを教えてください。
「自分が学びたい分野の勉強をする」
最近は、デザインやマーケティングの勉強をしています。本職に関連しないように見えても、どこかで活かされる時が来ると思うので、自分の興味関心があることにはお金も時間もかけて取り組んでいます。
「産業分野への転職を考えている方の相談に乗りたい!」
私自身も経験をしたことですが、転職活動はかなり大変です。目指すキャリアはあっても周りに相談できる人がいなかったり、なかなか内定をもらえなかったり、「転職活動で病みそう」という場面が多々あると思います。産業分野へ転職活動をする方を応援したいです。今年はキャリアコンサルタントの勉強もしようと思っています。